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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌 2007

◆「敢闘賞」をGK川口能活に◆
〜ビバ!サッカー恒例の年間表彰決定 (3)〜


★ドイツ・ワールドカップも対象に
 ビバ!サッカー恒例の年間表彰のうち「敢闘賞」に日本代表チームのゴールキーパー川口能活を選んだ。
 ヨシカツをなぜ?
 理由の一つは、2006年の重要な出来事を歴史に残すためである。
 長年にわたるビバ!サッカーの表彰者一覧を眺めれば、日本のサッカーの歴史が一目で分かる。そういう表彰にしようという、たいそうな志を持って、この選考を行っている。
 とすれば、ドイツで行われたワールドカップに日本が出場したことを取り上げないわけには、いかない。
 出場権を得たことは、2005年度に、ジーコ監督を「大賞」に選んだことによって、すでに歴史に刻んである。2006年度は、ドイツでの試合ぶりを対象にしなければならない。

★第1戦、第2戦で再三の好守
 ドイツ・ワールドカップで日本は1引き分け2敗。ベスト16に進めなかった。だから殊勲賞や技能賞は出せない。やはり敢闘賞である。
 第2戦のクロアチア戦は引き分けだった。海外で行われたワールドカップでは初勝ち点である。
 この試合の前半21分に、ゴールキーパーの川口は、相手のペナルティキックを、みごとにたたき出した。ここで1点取られていれば、唯一の勝ち点もなかっただろう。緊張の糸が切れて守りが総崩れになったかもしれない。この「PK止め」は殊勲だった。
 川口は第1戦のオーストラリア戦でも、好守を連発している。
 前半20分過ぎに相手のシュートを横っ飛びでたたき出し、そのあとのコーナーキックからの攻めも、よく防いだ。ぼくの取材ノートには「川口再三の好守」とメモしてある。

★不当な非難をただすために
 オーストラリア戦の後半40分にペナルティエリアすぐ外からの相手のフリーキックを、川口が大きくはじき飛ばした。これも好守だった。
 その後にオーストラリアが長いスローインを放り込む。川口が飛び出して防ごうとしたのがミスになり、同点ゴールを決められた。猛暑の中で懸命に守りつづけた日本の守りの気力と体力が、ここで尽き果てて1対3の逆転負けになった。
 この一つのミスをとらえて、川口に悪罵に近い非難を浴びせた心ない連中がいる。そういう俗論の評価が後世に間違って伝わらないように、ここで川口の奮闘を「敢闘賞」として記録しておくことにする。
 不当な非難を浴びたのは川口だけではない。守備ラインで獅子奮迅の働きをした宮本恒靖もそうである。日本の選手たちはよく戦った。そのことを記憶してもらいたい。

 

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