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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年12月23日(土)

FIFA Club World Cup Japan 2006
◆簡素で親しめる運営を!◆
 
クラブ・ワールドカップ総まとめ(4)
  (12月10日〜17日、豊田、東京、横浜)


★整然と規律正しかったが…
  クラブ・ワールドカップは整然と滞りなく運営された。FIFAのブラッタ―会長は「日本が運営の水準を高くした」と評価した。「この質の高さが標準になれば、他の国では開催できないだろう」という意味である。
 しかし「規律正しければ、それで十分」というものではない。
 まず、多くの人たちにも楽しく迎えてもらえる大会にすることが必要である。その意味で、豊田市会場の「ファンフェスタ」は評価したい。お手本にしたドイツのワールドカップのものと比べると規模も狙いも違いすぎるが、あえて試みたのはいい。
 また、地元のサッカー関係者が主体的に運営に加わり、国際的な経験を積む機会を持つことも必要である。この点では、外部から観察した限りでは、日本の協会役員が重要な役割を担っているようには見えなかった。
 
★FIFA主導で下請けが実務
 運営の各部門はFIFAから派遣された外国人の役員が主導権を握っていた。FIFA主催の大会だから、FIFAが各部門の責任を持つのは当然であるが、実務面では日本サッカー協会の担当部門も、主管者という形で並んで運営に加わるべきではないか。
 地元の事情は日本人のほうがよく知っているのだから、日本の主要役員が加わったほうがうまくいく。また日本協会の役員、職員は、ここで得た国際的な経験を国内での組織・運営にもに役立てることができるに違いない。
 現場の実務は、FIFAあるいは広告企業のもとで、下請けの会社、エージェントなどの人たちが担当していた。ふだんからサッカーの仕事をしている人たちもいたが、この大会ではじめてサッカーの仕事に雇われたらしい人も多かった。たとえば、サッカーの用語を勉強していないのではないかと思われる職業通訳がいた。
 
★日本協会が主導権を
  FIFAは、代表チームのワールドカップ並みにクラブ・ワールドカップを運営しようとしたようだ。
 そのためにVIP席にも、スタンドにも、裏方が仕事をしているスタンド下にも、お偉方から下働きまで、おおぜいがうろうろしていた。仕事振りは、マニュアルどおりで、きちょうめんだが、温かみが感じられない。
 ドイツのワールドカップでは、開催国ドイツの存在感がはっきりしていた。ベッケンバウアー会長のもとで、ドイツ人のアイデアと組織力のカラーがにじみ出ていた。
 日本開催のクラブ・ワールドカップも、日本サッカー協会が主導権を持ち、独創性を発揮して、運営できないものだろうか。
 その運営は、もっと簡素で、人間的な温かみのあるものであって欲しい。

 

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