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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年12月22日(金)

FIFA Club World Cup Japan 2006
◆日本開催を続けるべきか◆
 
クラブ・ワールドカップ総まとめ(3)
  (12月10日〜17日、豊田、東京、横浜)


★正論は各国持ち回り
 クラブ・ワールドカップは、2007年も日本で開催することが決まっている。3年連続になる。日本サッカー協会の川淵三郎会長は、その後も引き続いて日本で開催したいと強く希望している。今回、無理に観客動員を試みたのも「スタンドをいっぱいにして、FIFAにアピールする」狙いだった。
 FIFAのブラッター会長は、最終日の記者会見で、メキシコが2008年の開催を申し出ていることを明らかにした。しかし同時に、日本の大会運営を絶賛し「はじめのうちは、どこかに碇(いかり)を降ろしておくことも考えなければならない」と、当面は日本開催を続ける考えも示唆した。
 とはいえ、各地域(大陸)代表によるクラブ世界選手権として開催するのであれば、開催国は世界各地域を持ちまわるのが、本来のあり方だろう。
 
★日本開催のメリットは?
 川淵会長が、日本での継続開催を強く求めている理由は何だろうか?
 世界のいろいろなスタイルのサッカーと、いろいろな戦い方を見るのは、日本の指導者やプレーヤーやファンにとっては、非常に勉強になるし、楽しみでもある。
 しかし、大会の7試合を全部見ることのできる人は限られている。入場券が高価なことを考えると、多くの人にとって1試合を見るだけでも難しい。
 テレビで見ることはできるが、衛星中継が普通になった現在、視聴者にとっては、試合がどこで行われているかは関係ない。
 日本の人びとが見るのは有益だというのも日本のエゴイズムである。有益なのであれば、他の国にも、そのメリットを享受する機会を与えなくてはならない。
 FIFAとしては、できるだけ他の国にも機会を与えるように考えるのが当然である。
 
★開催地元に出場権は無理
 2005年も、2006年も、日本のクラブは出場権を得られなかった。地元が参加できないのでは盛り上がらないと、開催国に別枠で出場権を認めて欲しいという要求も出ている。
 しかし、世界選手権の建て前からみれば、これは無理な要求である。
 地域(大陸)リーグのチャンピオンが出場権を得るのだから、別枠にすると地域リーグの試合をする機会を失うことになる。地域リーグで不成績でも出場権を与えるのであれば、弱いチームを優遇することになるから、選手権としては不合理である。 
 持ち回り開催であれば、その国にとっては数十年に1度のことだから、特例を認められても、それほどの不公平ではないかもしれない。しかし、日本が毎年開催国になり、日本だけが毎年、特別扱いを受けるのでは、いちじるしく公正を欠く。
 日本開催継続と地元の出場権要求は、両立しがたい。

 

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