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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年10月16日(月)

◆ワールドカップ後のドイツと韓国◆
(9〜10月、私的な旅行で感じたこと)


★伝統国と新興国の違い
 プライベートな海外旅行をした。9月26日から10月8日まで家族でドイツとオーストリアへ。引き続いて10月9日から13日まで同窓会のツアーで韓国へ。サッカーに関係のない旅だったが、ワールドカップ開催国のその後は気になる。
 ドイツでは、数カ月前のフィエスタの熱気がすでに冷め、サッカーは日常生活の中に戻っていた。
 一方、韓国では、4年前に日本と共催した世界的イベントの記憶を、歴史に刻み込もうとしているようだった。
 思うに、これはサッカーの先進国と新興国の違いである。
 ドイツにとってワールドカップは、サッカーが溶け込んでいる日常生活にメリハリをつける「お祭り」だった。
 韓国にとっては、自国を世界にアピールするための大きな機会だった。

★日常に戻ったドイツ
 ドイツの書店では、大会中はショウ・ウインドウに並べてあったサッカーの本が、スポーツの棚に戻っていた。
 スポーツショップからもワールドカップのロゴのついた商品や各国のユニフォームは姿を消し、代わって地元クラブの商品が並んでいた。日本人観光客むけの「三越」でも「アイントラハト・フランクフルト」のユニフォームのレプリカを売っていて、今季から、このチームに移った高原のものもあった。
 滞在中にブンデスリーガの試合があった。中央駅で気勢をあげているのは地元クラブのサポーターだった。家族連れでユニフォームを着ている人もいた。
 ワールドカップの「なごり」を見つけたのは中央駅地下の「1ユーロ(約150円)ショップ」である。大会マスコットの「ゴレオ」の縫いぐるみが、店頭に山積みにして投げ売りされていた。

★歴史に残す韓国 
 韓国ではソウル - 全州 - 光州をまわった。どの市でも、4年前の大会のときに建設されたスタジアムが「名所」になっている。
 ソウルの競技場は、仁川(インチョン)空港からソウル市内へ行く道路沿いにある。大会のときは空港バスの中から見えたが、いまは周りの樹木が育って、よく見えない。
 全州(チョンジュ)の競技場は高速道路を走るバスの車窓からよく見える。
 光州(カンジュ)のスタジアムは、FIFA(国際サッカー連盟)の調査団が「もっとも美しいスタジアム」と折り紙をつけたと、観光案内書で紹介されていた。スタジアムへ通じる道路は「ワールドカップ四強通り」と名付けられていた。
 韓国は歴史的事業の記念を残そうとしている。それもいいが、4年前のあの盛り上がりは、大衆の日常の暮らしに、どう生かされているのだろうか? もう一度訪ねて調べてみたいと思った。  

 

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