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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年10月15日(日)

◆サッカーマガジンの連載打ち切り◆
(10月17日号で41年の寄稿終了)


★売れ行き回復に誌面刷新
 週刊「サッカーマガジン」に連載していた時評「ビバ!サッカー」が、2006年10月10日号(1103号)で終わった。1966年の創刊準備号以来ほとんど毎号、寄稿し続けていただけに残念である。
 8月30日に新しい編集長の根本晃一さんが渋谷の事務所に訪ねて来た。そして「誌面刷新のために掲載を打ち切る」と通告された。「売れ行きの低落を食い止めるために手を打つ必要がある」という率直かつ明確な説明だった。もっと率直に言えば「あなたの記事では売れない」ということだろう。
 サッカーの物知り博士といわれている国吉好弘さんが、新編集長と同行して来た。「こんな役割をするめぐり合わせになったのは残念です」という。国吉さんもサッカーマガジンの編集を離れて他の部署に移ることになったそうだ。編集部も刷新というわけである。
 
★ネットと映像にかなわない
 ドイツ・ワールドカップの特集号やら総集号が多くの出版社から出たが、軒並み赤字だったらしい。ライバル誌の「ダイジェスト」も編集長が代わったという。老舗の「マガジン」も例外ではなかったようだ。
 商業誌だから売れ行きが悪ければ改革を図るのは当然である。とはいえ、雑誌の売れ行きが低落傾向にあるのは、執筆者や編集部のせいばかりではない。
 インターネットと映像の時代に、若者の活字離れが広がっている。情報量、速報性、見易さでは、ホームページやテレビがまさっている。
 出版物は紙に印刷し、トラックで運んで、店に並べて売らなければならない。直接、家庭に飛び込むことのできる電波・通信メデアには、流通経費の点でも太刀打ちできない。
 
★それでも印刷メディアは重要
 サッカーマガジンの連載の最後に「今後はビバ!サッカーのホームページを見てください」と書いた。しかし、印刷メディアには、やはり未練がある。
 ネットでアクセスしてくれるのは、最初から、ぼくの考えに関心をもってくれている人たちである。ホームページは、いわゆる検索性のメディアである。
 印刷メディアは、たまたま目に触れた人に考えを知ってもらうことができる。つまり新聞・雑誌などは、いわゆる一覧性のメディアである。
 一覧性のメディアは、一般の人びとに訴えることができる。理性的な世論を形成するためのジャーナリズムとしては、印刷メディアのほうが役立つと思う。
 というわけで、商業主義のメディアが載せてくれないなら自分でサッカー評論誌を発行したいくらいの気持ちでいる。

 

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