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◆ビバ!スポーツ時評

サッカー日誌  2006年8月31日(木)

◆「攻めあい」を制するには◆
 Jリーグ 第21節第1日
 千葉 1−2 川崎
(8月30日、千葉フクアリ)


★「走るサッカー」の応酬
 ジェフ市原・千葉対川崎フロンターレの試合は「走るサッカー」の応酬だった。シュート数は千葉が9、川崎が18。活発な攻め合いでスリリングな場面が続いた。
 後半、千葉にいい形の攻めがあった。25分すぎにハースの好パスを受けて巻が左からシュートしたが右ポストに当たる。38分ごろ、阿部のインターセプトに始まって、流れるようなスピーディーな組み立てで羽生のパスがゴール前の阿部に戻り、身体を横倒しにしてのボレーシュート。あと1歩で決勝点が奪えない。
 川崎が41分に逆襲から勝ち越し点をあげて、アウエーの試合をものにした。
 千葉は、これで地元では4連敗。すべて攻めあいのすえの1点差負けである。
 「今日のような試合をものにできるチームが上位に残れるんだ」と、アマル・オシム監督が嘆いた。
 
★脳の中も疲れる
 走りあい、攻めあいの試合を、どうしたらものにできるか?
 第一に集中力を持ち続けられること、第二に相手の隙をすばやく突くこと、第三に効果的な選手交代である。
 走りつづけ、攻めつづけの試合では、後半のなかばくらいからは、おたがいにかなり疲れてくる。足だけではない。脳の中も疲れている。だから集中力が途切れて、ふっと気の緩むときがある。相手の厳しい攻めを、やっとしのいだあとや反則などでプレーが中断したときなどである。
 こちらは集中力を持ち続け、相手が、集中力を途切らせた隙を、すばやく突くことができれば、決勝点につながる。
 そのためには、ちょっと早めの選手交代が効果的だ。ベンチにいた選手は、疲れていないからである。
 
★効果的な選手交代 
 川崎は、後半31分に選手交代をして鄭大世を入れた。決勝点はゴール前に攻め込んだ鄭のパスが起点だった。鄭が後方のマルコンに戻し、マルコンがゴールへ向かってあげたボールを谷口がヘッドで流し込んだ。
 この場合は、新しく入った選手が得点にからんだが、そうでなくても新戦力がチームを活気ずけることは多い。
 千葉の2人の選手交代は、勝ち越し点をとられたあとだった。用兵は関塚監督のほうが成功し、アマル・オシム監督は決断が遅れた。
 この試合でヒーローになったのは、決勝点をあげた谷口博之だった。21歳。前半6分の先制点のアシストもした。
 先制点をあげた中村憲剛もいい。いいパスを出し、スピードのあるドリブルでの攻め込みも見せた。

 

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