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◆フリーキック


チャールトン対ノーリッジ 
〜小さな街のプレミアリーグ
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(原 晶彦 2004/12/30)


 いったいこんな小さな街にプレミアリーグのチームがあるのだろうか?
 地下鉄と国鉄を乗り継いで、ロンドンの中心部から約30分のところにあるチャールトン。駅の周りに店らしい店は一軒もない。ただサッカーの試合の日らしく、アウェーのノーリッジの黄色いユニフォームを着た人がちらほら見えた。バレースタジアム
 わずかな人の流れについて住宅街を抜けると、5分ほどでチームカラーの赤い色が印象的なバレースタジアムが現れる。とにかくチケット売り場へ。バックスタンド側のチケットを25ポンド(約5000円)で入手した。ついに、プレミア観戦が現実のもとなった。


初めてのプレミアリーグへ

 11月初旬からの海外出張。11月13日の土曜日に、ロンドンに滞在することが決まった。週末にはプレミアリーグがある。そして、ロンドンにはプレミアのチームが5つもある。きっといずれかの試合を観ることはできるだろう。
 自分のような古くからのサッカーファンはイングランドリーグに特別な思い入れがある。「ダイヤモンドサッカー」を通じて初めて触れたその世界。すべてが日本の風景とは異なる世界。歌声と掛け声とマフラーで埋まるスタジアム。こんなふうにサッカーを楽しんでいる国がある。その頃からイングランドリーグは自分にとっての大きな夢だった。
 11月13日のカードは、トットナムvs.アーセナルの名門同士とフラムvs.チェルシ-のお隣同士という2つのロンドンダービー。残りはチャールトンvs.ノーリッジというちょっと地味目の対戦だった。

 まずはチケットの国内調達に挑戦。チケット業者にいくつかあたったが、価格は37,000円から54,000円。現地で探す手間が省けて安心とはいえ、あまりにも高額なので断念。クラブのホームページにアクセスしたものの、チケットはSold out。チャールトン戦だけは残っていたがメール交信をしている時間はなかった。
 ロンドンで、試合前日、仕事を済ませてから、ピカデリーサーカス駅にある金券ショップへ行き、チケットを探した。しかし、定価の倍くらいまでと決めていた自分にはあまりにも高かったため交渉は打ち切り。
 この時点で、自分の心の中ではチャールトン戦の当日券に的は絞られたのだった。良いカードではないし、スタンドがいっぱいになることはないだろう (でも、これは大きな誤解だった)。


ザ・バレー(谷)・スタジアム

 静かな住宅街だが起伏のある地域にたたずむ美しいスタジアム。チャールトンのホーム、ザ・バレー(谷)・スタジアムは、その昔、ファンが廃坑を整備し、掘り出された土砂と石炭を両側に積み上げてスタンドにしたというエピソードがある。
  チケットを確保して、まずはスタジアム横のオフィシャルショップへ。チャールトンの古い町並みには似合わない、ちょっと明るめの大きなお店。売っているものは日本と変わらない。スタジアムの周りには、ホットドックやユニフォームなどを売る屋台が並びはじめる。マッチデイ・プログラムを売る小さな屋台も出ている。ちょうど競馬場近くで新聞を売るように。パブにも顔を出したが、アウェーのサポーターたちがビール片手にトットナム対アーセナルをテレビ観戦していた。もちろん、座る席など全くなく、通勤電車のなかで立ち飲みしているような感じだ。
 人でごったがえすスタジアム周辺には騎馬警官も現れ、いよいよ雰囲気が高まってきた。ホットドックで腹ごしらえをして、スタジアムの中へ。サッカーくじ売り場 
  スタジアムに入って、最初に目についたのがサッカーくじ売り場だった。日本のtotoと違い、いろいろなかけがあり、それぞれに倍率が振ってある。ちょっと見ると、チャールトンの勝利が人気上位。1st ゴールを決めるのは「JJ」が5倍となっていた。「JJ」って、いったい誰だ?
 席はバックスタンドの前から8列目の一番端っこで、アウェー側ゴール裏のすぐ近く。残念ながら電光掲示板は全く見えない。試合開始3時間前に楽に買えたと思った当日券だったが、本当は最後のチケットだったようだ。試合終盤のアナウンスによると、この日の観衆は27000人強で、なんとザ・バレーにチャールトンが帰ってきて(1992年)以来の新記録とのこと。チケットが買えて本当に良かった。
 チャールトンは2000年に昇格以来、一度も降格せずに中位を保っている。自分が知っていた選手はアイルランド代表だったマットホランドだけ。ここまで4勝3分5敗で11位。ノーリッジは1995年に降格して以来のプレミア復帰。今シーズンは残念ながら、0勝8分4敗で下から2番目。それでも、サポーターは熱く、この日の観客数の新記録達成は、ゴール裏にぎっしり詰め掛けたノーリッジのサポーターのお陰だと思う。

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