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◆フリーキック


2004ナビスコカップ決勝
FC東京サポのチケット争奪戦記
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(宇都宮みちこ 2004/11/12)


  チケット獲得の極意、それはetsui(熱意)とetwork、Interetであるという。純粋にFC東京を応援し、ナビスコカップ決勝進出を心から喜んでいた私だが、3つのを駆使してもなお、チケット獲得までの道のりは険しかった。その記録の一部と戦い終えた感想を、ここに紹介したい。


戦いのはじまり

 ベスト8が出揃った頃から、自らのチームの決勝進出を信じるサポーターの間では、決勝戦のチケットを確保できるかどうかという不安が顔を覗かせ始めた。浦和レッズが進出した過去2年の決勝戦のチケットは、発売後、即完売していたからである。そして、今年も、浦和レッズが決勝に駒を進める可能性が高かったからである。
 そのサポーターの不安を感じてかどうかは解らないが、決勝戦の一カ月前、FC東京は、指定席SOCIO会員(指定席の年間チケット所持者)向けに「FC東京が決勝に進出した場合に限って有効」の、決勝戦の指定席チケットの優先予約をおこなった。翌週には、浦和レッズのシーズンチケットホルダーも、自由席チケットの優先購入権を手にする。どちらのクラブも、シーズンチケット所持者のみが優遇されたこと、告知のタイミング、優先販売の券種などをめぐりサポーター間で論争が起こった。また、浦和レッズではすべての年間チケットホルダーの分として約12000席が確保されていたようだが、FC東京は違った。私のような自由席SOCIO会員は、そういった優遇は受けられず、10月16日からの一般販売で購入しなければならなかった。
 10月11日。浦和レッズが決勝進出を決めた。早くも、その夜には、チケットショップ前に陣取るサポーター目撃情報が、ネット上に書き込まれていた。チケット発売開始まで一週間。私たちの戦いが始まった。


連戦連敗

 10月15日、金曜日。一般発売を翌日に控え、私は、突然、チケット争奪戦に加わることになった。ローソンチケットが19時から、会員向け(仮会員も含む)に先行販売をおこなうという情報を入手したからだ。私は、自分のパソコンで仮会員になる手続きをすませると、ローソンに走った。
 最初に行ったローソンは、発売開始の一時間前だというのに、既に先客がいた。先頭でなければダメだ。そう思い、念のために調べておいた別の店に急行した。そこでは、まだ誰も並んでおらず、端末を独占できた。待ち時間を利用して、画面の操作を練習する。申し込み直前までの入力を、いかにスムーズにおこなうかが勝負のカギだ。
 19時の時報と同時に、申し込みボタンを押した。「つながった!」と思った。が、「発売開始前です」という、無情なメッセージが表示される。「時報を確認したのに!」と、腹をたてている時間はない。落ち着きを取り戻し、イチから画面操作を繰り返す。何度か「しばらくお待ちください」と表示された後に、券種を選択する画面にまでたどり着いた。自由席ホーム側(=FC東京側)4枚。ドキドキしながらボタンを押した。
 「その席は完売しました」
  端末と格闘すること、わずか6分。第一ラウンドは、見事に負け組みとなった。

 翌16日(土曜日)、一般発売日の午前3時。私は友人の車で、都内の自宅から遠く離れた埼玉のとある駅を目指していた。正確には、その駅の構内にあるチケットぴあ某店を目指していた。
 その店を選んだことには、理由があった。信頼できる友人から、「そこは駅構内の店舗なので徹夜で並ぶことはできないだろう。だから、始発前に並べば、かなりの確率で獲得できるのではないか」と聞いていた。また、その店は、「オペレーターが端末操作に長け、申し込みから発券までがスムーズ」ということで有名らしい。私は大きな期待を寄せていた。
 しかし、私の期待はあっさり裏切られた。ひっそりとした駅が、私を待っているはずだったが、シャッターの下りた駅の前には、毛布に包まって眠る人、完全防寒の姿で眠い目をこすっている人、人、人。20人以上はいるようだった。残る手段は限られた。一般販売開始の10時に、電話か、インターネットか、コンビニエンスストアの端末か、携帯電話サイトかで、獲得するしかない。


地獄から天国へ

 午前9時。寝不足の目に、朝陽がしみる。とりあえず、ローソンに向かう。昨晩、惨敗したロッピー(ローソンの端末の名称)に向かうのは本意ではないが、仕方がない。ところが、向かったローソンにはすでに3人の列。一番でダメだったのだから4番に甘んじるわけにはいかない。しかし、近くにあるのはローソンではなく、ファミリーマート。もちろんファミリーマートでも販売がおこなわれるが、ローソンはJリーグのオフィシャルスポンサーである。販売枚数はローソンが一番多いはず。しかし、時間がない。
 幸い、そのファミリーマートには人の姿はなかった。ファミポート(ファミリーマートの端末の名称)に張り付き、画面操作の練習をする。同時に携帯電話を取り出す。今度は時報の確認だけでなく、携帯サイトからもチケットの入手にチャレンジするのだ。
 10時ジャスト。ファミポートの画面を操作する。昨晩よりもずっとスムーズに、画面は券種選択まで進んだ。自由席ホーム側4枚を選択し、確認画面へ。あと、ひとつ。次なる画面こそ、チケット発券画面のはずだった。ここまでに要した時間は2分弱。今度こそ、と思った。思いは確信に近かった。

 10時20分。頭を垂れて、住宅街をとぼとぼと歩く私がいた。私は敗者となっていた。ファミポートは2分で繋がった。しかし、次の画面は「完売しております」だったのだ。
 惨敗だった。人生の終わり。それほどひどい顔をしていただろう。そのとき、携帯電話が鳴った。
 「とれたよ」
 神のお告げだった。
 未明まで私に付き合って、遠方まで行って帰ってきた後、そのまま出社し(土曜日なのに)、9時には私にモーニングコールをくれ、さらに、勤務中にこっそり携帯電話でチケット獲得にチャレンジしていた友人だった。まさに神の降臨。地獄から天国。そこが住宅街のまんなかであることも忘れ、私は絶叫していた。
 「ありがとう!!!」
 こうして私は、一転、チケット争奪戦の勝者となった。3つのNはみな重要だった。しかし、Networkに勝るものはなかった。持つべきは友。私は友人に心から感謝した。

 これで私のチケット獲得までの道のりは終了したはずだった。しかし、実は、終わっていなかった。

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