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サッカーマガジン 2004年11月30日号
ビバ!サッカー

ナビスコ杯の入場券争奪騒ぎ

 ナビスコカップ決勝戦の切符を手に入れるのは、たいへんだったらしい。仲間で作っているホームページの原稿で、その話を知った。発売日の、発売開始時刻に、時報にあわせて携帯電話から申し込んだり、コンビニの店頭に行列して機械を操つる順番をとったりするのだが、一瞬にして売り切れて、たいていは空振りに終わる。
 詳しいことは、このページの熱心な読者で作っているビバ!サッカー研究会のホームページに体験記が載るので、それを読んでもらいたいが、行列を作って物を買う時代に育ってきた世代のぼくにとっては、インターネットで先着順を争う話に目を白黒するばかりだった。
 そのなかで気になったのは、FC東京のシーズン会員になっていても、自由席の会員には、最初は優先権がなかったという話である。
 ナビスコカップの決勝戦は、リーグの試合とは違って、対戦カードがあらかじめ決まっているわけではない。またホームチームのクラブに試合の管理権があるわけではない。だから出場チームのサポーターに、あらかじめ優先権を認めるのは難しい。とはいえ、シーズンを通してずっと応援してきて、いよいよタイトル獲得の晴舞台になって、スタンドに参加できないのでは、熱心なサポーターにとっては納得いかない思いだろう。
 FC東京の自由席会員の場合は、一般への売出しが終わった後になって、余裕が出てきたというので、遅れて優先割り当てが行なわれたという。さんざん苦労しても手に入れられなかった人にとっては「やれ一安心」ではあるが「いままでの苦労は何だったのか」という気持ちにもなるだろう。すでに手に入れていた人は「いまごろになって」と思うだろう。
 じゃ、どうすればいいか。
 入場券を3等分して3分の1ずつを出場チームのクラブに割り当て、残りの3分の1を一般に売り出す方法もある。
 シーズン会員が多いクラブだと3分の1では足りないこともあり得る。逆に3分の1では多すぎて引き受けかねるところもあるかもしれない。一般への売出しが3分の1では少なすぎるという意見もあるだろう。比率を変えるにしても、どのくらいを出場チームのクラブに割り当てるかを決めるのは難しい。
 どういう方法がいいか、ぼくには名案は思いつかない。閑古鳥が鳴くスタンドで、半世紀近くもサッカーを取材してきた老記者としては、びっくりしているばかりである。
 ところで、仲間の体験記が載っているホームページは
  http://www.vivasoccer.net/


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