誰でも楽しめる2010南アフリカワールドカップ
直前シミュレーション
2010年6月7日
ビバ!サッカー研究会 手島直幸
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1. シミュレーションモデルの考え方 2. 【世界の常識ケース】FIFAランキングによる勝敗予想 3. 【日本スペシャル・ケース】:日本のベスト4シナリオ 4. ベスト4のための日本の戦略 5. 日本チームの編成 6. グループリーグの対戦相手メンバー |
1.シミュレーションモデルの考え方
ワールドカップの勝敗を予想するシミュレーションモデルにおいてインプットデータとして重要なのは、基本的な戦力、試合の時のコンディション、試合の戦術・戦略、対戦国との相性などである。基本的な戦力とは国際試合の実績で計測できる。
FIFAは毎月1回(10日前後)に世界の200国を超える加盟国のランキングを発表している。過去に行われた国際試合の勝敗実績を独自の計算式でポイント化している。FIFAランキングは、その時々のそれぞれの国のナショナルチームの基本戦力を表すものと考えられる。
2010年5月10日時点のFIFAランキングによれば、ベスト10は、1位ブラジル(1611ポイント)、2位スペイン(1565ポイント)、3位ポルトガル(1249ポイント)、4位オランダ(1231ポイント)、5位イタリア(1184ポイント)、6位ドイツ(1082ポイント)、7位アルゼンチン(1076ポイント)、8位イングランド(1068ポイント)、9位フランス(1044ポイント)、10位クロアチア(1041)となっている。
日本は45位(682ポイント)であり、グループリーグで日本と対戦する3カ国の内オランダは4位、カメルーンは19位(887ポイント)、デンマークは36位(767ポイント)といずれも日本より高い順位にある。
(注) FIFAランキングのポイント計算式
P = M x I x T x C x 100
The following codes and conditions apply to
the calculation of points:
M: Points for a victory (3 points), a draw (1 point) or a defeat (0
points) In a penalty shoot-out the winning team gains 2 points, the losing team
1 point.
I: Importance of a match with the following
weighting:
Friendly match (including small tournaments): I = 1.0
World Cup qualifier and continental qualifier: I = 2.5
Continental final competition and FIFA Confederations
Cup: I = 3.0
World Cup final competition: I = 4.0
T: Strength of opposition calculated according to the
following formula:
[200 – ranking position of opposition] ÷ 100
Only the team at the top of the ranking is
assigned the value 2.00 (teams ranked 150th and below are assigned the minimum
weighting of 0.50).
The ranking position is taken from the
opposition’s ranking in the most recently published FIFA World Ranking.
C: The strength of a confederation. When calculating
intercontinental matches, the mean value of the confederations to which the two
competing teams belong is used. The strength of a confederation is calculated
on the basis of the number of victories by confederation at the last three FIFA
World Cup™ competitions. Their values are as follows.

2010年5月10日時点のFIFAランキング(1位〜200位)

(出所)FIFAのホームページ: http://www.fifa.com/worldfootball/ranking/index.html
2.【世界の常識ケース】FIFAランキングによる勝敗予想
FIFAランキングで全64試合を予測する。グループリーグではAからHまでの8つのリーグの1位、2位が決勝トーナメントに進む。日本は3戦全敗で4位となりトーナメントには進めない。優勝はブラジル、準優勝はスペイン、3位ドイツ、4位フランスとなる。
ポイント1000点以上の国々はまさに抜群の力をもつ世界のトップクラスであり、優勝候補とうわさされる国が並んでいる。ただし9位クロアチア、10位ロシア、11位エジプトは予選を通過できず南アフリカ大会には出ていない。
ポイント数の近接したチーム間の試合はランキングポイント通りにならない確率が高い。ポイント数の差が大きなチーム間の試合はポイント通りなる確率が高く、もしそうならなかったときはサプライズ、番狂わせというニュースになる。


3.【日本スペシャル・ケース】:日本のベスト4シナリオ
2006ドイツ大会で苦杯をなめた日本が、2010年南ア大会に掲げた目標は、ベスト4であった。ワールドカップ直前になってもこの目標は変えられていない。ここでは愚直に、ベスト4という目標はどのような相手に勝つ必要があるのか、どれほど困難なのか、ベスト4まで勝ち進むケースを想定してみる。
グループリーグは1勝1敗1分で勝ち点4、2位で通過となる。トーナメントはイタリア、スペインを連破してベスト4に進出。準決勝でドイツに敗れるというサプライズ・シナリオになる。日本の戦力アップ以外はFIFAランキングに拠った。


4.ベスト4のための日本の戦略
世界の常識ケースではベスト4は無理であることは明白である。架空の話であるが、現時点で岡田監督から、戦術指南の要請が私にきたとして、話を進めたい。
ここで脳裡を浮かぶのは日露戦争のことである。当初、大国ロシアの力は強大で、新興国日本は負けるに決まっていると欧米人に見られていた。その日露戦争を薄氷を踏みながらも勝利したいきさつは司馬遼太郎の「坂の上の雲」に詳しい。そこには愚かな将軍による多くの死者を伴う失敗と英明な秋山参謀と東郷将軍の賭けにも似た作戦の成功が描かれている。敵の失策で力が出せなかったことも幸いした。革命に揺れるロシアの愚昧な皇帝がいたことが日本勝利の一大要因といわれる。
日本チームの戦術の要点を述べる。この戦術にもとづくグループリーグ、トーナメントの戦い方を下表に示す。
1日本チームの力を客観的に自覚すること:強さと弱さをしる、メンバーの戦力数量化モデルが有効
2相手チームの徹底分析すること:強さと弱さをしる、メンバーの戦力数量化モデルが有効
3相手の戦術想定した機動的ゲームプラン策定:相手の強さを消し、弱さをつく戦術立案:敵失を促す
4戦術実行できるメンバーの適材適所配置
5短期間にグループリーグ勝ち抜くため23人を2チームにわける:「山チーム」「海チーム」
6「山チーム」「海チーム」の主将任命:各チーム戦術を共通認識、モチベーションアップ

5.日本チームの編成
グループリーグを勝ち抜くという現実的な目標を23人に浸透させ、「山チーム」と「海チーム」でそれぞれの試合に集中させることでチーム力を最大限高められる。岡田監督の選定には疑問があるが、現実に選ばれた23人の技術力、体力、精神力に大きな差はない。チームとしてまとまり組織力を発揮すれば、これまでのレギュラー組と控え組という組織よりも3戦を上手く戦える。サプライズを起こすには、相手チームに劣るチーム力を1戦ごとに完全燃焼することが条件になる。
初戦のカメルーンが最も大事であるので、山チームは過去4戦の先発メンバーで編成する。海チームは、2014ブラジル大会につながる20歳代前半の選手に経験をつませることを主な目標に、戦術に合わせてメンバー配置する。

6.グループリーグの対戦相手メンバー
